いま、想うこと。

私がこんなにも感情的になれたのはライブハウスの中だった。


イベントを始めたきっかけは友だちがやっていたからという単純な理由だったけど、続けていくうちにいつしか自分の存在証明になっていた。大袈裟だと笑うかもしれないけど、私がこんなにもたくさんの人と知り合っていくイベントをすることで、自分の存在が周りから認められているような気さえした。良いイベントだと言ってもらえる度に世界が素晴らしく思えた。大きなイベントじゃない、名の知れたイベントじゃないけど、逢ふれるは私の生き甲斐の大部分を占めていた。


だから、今の状況は苦しい。


ライブハウスで企画が出来ることが当たり前じゃなかったんだと思い知らされる。頭では分かっていたけど、いざこのような状態になると本当に今までの一瞬一瞬が大切だったんだなと気付かされる。今まで逢ふれるに出てくれた出演者で心動かされなかった人はいなかった。みんなみんな格好良かった。本当に格好良かった。私の毎日に彩りをくれたのはあなたの音楽です。私はあなたの音楽への愛と感謝を伝えきれていただろうか。


今回オファーしていく中で、脱退や活休などを伝えられたバンドがあった。ああ、寂しいな。みんながみんな音楽を続けていくわけじゃないんだ。と知った。思えば、私が音楽大好きな人間にしたあのバンドは解散した。私が永遠に愛しているあのバンドも解散した。30分のステージを観るためだけに何時間もかけて会いに行っていたあのバンドも解散した。音楽は永遠に残るけど、ステージに立つあなたは永遠じゃなかった。本当に当たり前のことなんだけど、とてもとても寂しくなった。


一生、はないからこそ、私も出来る限りイベントをたくさんしたかった。ステージに立つあなたが大好きだから、少しでもこのイベントに多く関わってほしかった。


来年の夏、逢ふれるは5周年になります。世の中がどうなっているのか分からないけど、この文章に目を通してくれているあなたにはどんな形であれ5周年イベントに関わってもらえたらとっても幸せです。そして今回延期になってしまったサーキットイベントも必ず行いたいと思っています。


しばらく逢ふれるは出来ない。あの愛しい空間は創れない。その期限はいつまでかも分からない。でも、あなたの頭の片隅にこのイベントのことがあれば良いな。ずっと音楽を続けていてほしいなって、そう思います。


あなたの鳴らす音楽によって私は救われました。また、ライブハウスで会えますように。


これからも、逢ふれるをよろしくお願いします!


2020.07     ゆーりりり